木工房シンプルについて

作者氏名 栗原浩 

1963年 福岡県北九州市生まれ
1988年 大学院工学部卒業後、メーカーで商品開発に従事
2000年 退社後、技術専門校の木工科で木工技術を学ぶ
2002年 木工房シンプル開設
    以後、手作り家具の製作を続け現在に至る

家族構成 既婚  子供二人(いずれも男で独立済)
趣味 キャンプ(晴れの日に限る)
   読書(最近は歴史物の比重が高くなりました)

サザンオールスターズの大ファンです
私の青春時代はサザンとともにありました、途中休止などもありましたが、今でも現役で新曲を発表し続ける姿を見るととても勇気づけられますね

ところで、性格は品行方正、質実剛健であると自分では思っていますが、さて? (誰かの笑い声が聞こえる・・・)

世間では職人と言われる種族であると思いますが、ひげも生やさず、作務衣なども着ない普通の格好をした普通の人です
このため、打ち合わせなどに行くとよく市役所の人と勘違いされます

どうぞお気軽に・・あなたの思いをお聞かせください

作者近影(ちょっとにやけております)
持っているのはロングアンドベストセラーの丸いこども椅子です

家具作りの思い

手作り家具なんて贅沢で、特別な人のためのものだと思っていませんか?

決してそのようなことはありません  
家具は芸術ではなく、実用品です  実用品であるからには、使いやすくなければなりません また、丈夫で長持ちしなくてはなりません  

そのためには、自分にあったサイズで、本物の木を頑丈に組み合わせて作られた家具が一番です

過度な装飾なんて必要でしょうか?  本物の木で、シンプルで、長持ち、こんな家具をどんどん使って、使って、使い込んでみましょう  きっと家具もそれに応えて、どんどん成長してくれるはず

高級なものなど無用です  普段使いの、しかし、ちょっと遊び心のある家具をあつらえてみませんか?  それを使い込む・・・使い込むほどに愛着が深まる・・・・  
そのような家具を、作ります

手作り家具の魅力とは?

それは、世界に一つの、あなただけの家具を持てることです  
世界に一つのもの・・・それは、高価なものや珍しいものということではありません  
それは自分の身長にあった座りやすい椅子であり、家族がゆっくりと団欒できるテーブルであり、隙間にぴったりと収まる収納棚のことです
自分が、家族が、その家具を使うことによって、より気持ち良くなれる、そのようなものであると思います

人に歴史あり 身の上話など

木工家になろうと思ったのは?
思い返せば前世紀、1990年頃のことです、もともと木の家具に興味があり、暇を見つけては様々な家具を見ていました
しかし、なかなか満足できるようなものがなく、市販の家具でお茶を濁していたところ、運命的な出来事がありました


その出来事とは?
新婚旅行で出かけた北海道の弟子屈という町でのこと、何気なく入った写真館に置かれていたミズナラのテーブルに一目惚れしたのです
写真館の管理人にテーブル作者の連絡先を聞き、その場で電話、そしてあつかましくも工房に押しかけて行きました
旧学校をリフォームした大きな工房で、作者のK氏はとても穏やかな方でした
半自給自足で、最近のトレンドであるSDGsを先取りしたような生活を目の当たりにし、今までの価値観が根こそぎひっくり返るような衝撃を受けました
何よりも、家具というものは注文ができるのだ
自分の思いを木工作家に託して、それを形にしてもらうことができるのだ、と言うことを学んだのが以後の自分の人生に多大な影響をもたらしたのでした

その後は?
当時の私の仕事はメーカーの商品開発で、コンプライアンスという言葉もない時代のこと、仕事は激務でした
しかし、開発日程通りに商品を立ち上げたときの達成感も大きく、仕事を通して物作りの醍醐味を知ることができたのは紛れもなく会社員時代の賜物でした
忙しい日々が続きましたが、その中でもふと頭をかすめるのは木工作家であるK氏のこと、その生き方のことです
そして、いつの間にか自分の中に、K氏と同じようなことをやってみたい、同じように家具を作ることを生業としてみたいという思いが徐々に膨らんでいったのです

木工家への転身 
世紀末の頃、バブル崩壊の余波が続いている頃、会社の業績は芳しくなく、早期退職者制度というものが導入されました
退職金が割増となること、これは千載一遇のチャンスだと思い、思い切って職を辞し、家具作りの技術専門校に行くことになったのです
38才の決断でした

技術専門校にて
入学したのは福岡県立田川高等技術専門校の木工科
ここで一年間、家具作りの基礎と応用を学びました
久しぶりの学校生活はとても楽しく、20~60代という幅広い年齢の同級生たちと一緒に切磋琢磨する日々
時には友人の下宿で飲み明かしたりと、まるで大学生に戻ったように楽しい日々で、もちろん木工技術についても定時以降も居残りをして、仲間たちと技術の習得競争をする毎日です
仲間がいたから頑張ることができた、最高に充実した一年でありました

開業して
卒業後、実家を改造して工房を立ち上げました
家具製作に際しては、奇をてらったような特殊なものではなく、あくまでもシンプルでベーシックなものを作りたいという思いから、屋号を木工房シンプルと定めました
2002年4月に開業し、そこから紆余曲折ありながらも皆様に支えられて家具を作り続けています

これからも
気がつくと還暦を超え、会社員であれば定年を迎える歳になってきました
体力の衰えは否めず、大きなものや重いものの製作は徐々にしんどくなってきましたが、しかし、これからも体の続く限り木にまみれて生活に根付く家具を作り続けていきたいと思っています
あなただけの家具を、あなたに、作ります
あなたのお問い合わせを、、お待ちしておりますm(__)m

2024年7月記